
う町は人口8万で、隣の町も人口7万ぐらい。急行電車に乗れば10分足らずで着いてしまう。これはネットワークにならないんですね。それぐらいの人口規模で同じ企画でやりますと、お客のとり合いになっちゃう。だから、そういう泉南の地域では6市のホールの事業担当者が日1回集まって、手の内を明かし合って情報交換しまして、相互理解を深めています。そこで、最近1つ、共同企画の自主事業をする案もできて動き出しています。
逆に北海道という広いところだと、隣のホール同士でも相当距離があるのかなと思うわけです。それから東北も、今の森高さんのお話だと、そのネットワークのちょうどいい距離がありますよね、とてもうまくいっていると思うんです。だから、そういう地理的な状況とか館の特性とかを考え合わせて、北海道、東北というところで考えると、ネットワークにふさわしい距離が持てるのかなと思うんですけれども、その辺はどうでしょうか。
○山下
私は1遍前田さんにこういう質問をしたことがあるんですが、隣接した都市のホールという場合、お互いに隣の市へ、あるいは観劇圏内であったと仮定して、同じような規模のホールがある。そこが共同して事業をやるのもネットワークだと思うんです。というのは、外国から来るようなフルオーケストラを1つのホールだけでおやりになるというのは大変費用もかかりますし、大変だと思うんです。それを両ホールが共同でされる。ことしはAホールでおやりになる。そのかわりBホールのエリアのお客さんもAホールヘ行く。来年はBホールでおやりになってAホールの地域もそこへ行くというようなことにすると、かなり上質なオーケストラなんかが招聘できるのではないかと思うんですよね。
今、私が言ったネットワークというのは、ぽつんと離れた北海道という巨大な地域の中のA地点、B地点、C地点を、札幌を中心としてかどうかはわかりませんけれども、そういうものはAパターンのネットワークだと思うんです。Bパターンのネットワークもあるのではないかなという気がするんですけれどもね。
○前田
泉南という5市3町で人口が50数万の地域のホール担当者会議の理想はそうなんです。最終目標は、山下さんがいま言われたような、ことしはうちでやる、来年はそちらのところでやる、あるいは3館で組んで、お互いのチケットもお互いに売り合ってやっていこうというようなところを目指しているんです。
一気にそこまではいかないんだけれども、みんなが平等な立場で協力し合えるということで、各市で若い人たちの、ロックバンドを自分のホールで、予選会をやる。そして5市3町の代表の決勝大会をひとつのホールに集まってやろうという企画が今動き出しているんですよね。例えばそういうことの先に今山下さんが言われたようなネットワークのあり
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